長時間使用されたタービンケーシング用CrMoV鋳鋼の補修溶接部特性

摘要

現在稼動中の火力発電プラントでは運転開始後長時間を経過したものも多く、S30年代から40年代に製造された鋳鋼品について私製造段階で不純物等を多数含んでおり、内在欠陥を起点にき裂が発生する例がある。 また高温高圧化で起動停止を伴いながら長時間使用されるためクリ捗プや疲労損傷を受け、ボイドや微小割れを生じる。割れ部はグラインドオフされるが、これを何回か繰り返すと、許容肉厚を割り込み、これ以上使用できなくなる。 その場合において、補修溶接を施すことができればケーシングの寿命延長が期待される。 しかし発電所内での補修溶接では溶接後に応力除去焼鈍（SR）を実施できない場合も想定される。そこで、本研究では長時間使用したCrMoV鋳鋼を供試材としてSRレスの手法として、すでに一部で美用化されている『ハーフビード法』＊において諸条件を変化させて、特性を調査した。