T1大腸癌内視鏡治療後のサーベイランスと長期予後(転移?再発）

摘要

2005年7月に「大腸癌治療ガイドライン」が 発刊され，T1大腸癌(従来の大腸SM癌）に対す る内視鏡治療の適応およびその後の追加治療の 適応基準が示された.具体的には，病変が完全 摘除され，SM浸潤実測値1，000mum未満， 組織型が高分化?中分化型腺癌，脈管侵襲 陰性，であれば転移の可能性は極めて低く経過 観察としてもよい，と記載されている.しかし ながら，これらは過去の外科的切除もしくは内 視鏡的摘除後に外科的切除がなされたT1大腸 癌症例を対象に解析された結果に基づくもので あり，実際に内視鏡的摘除後にガイドラインに 則して長期経過観察がなされたT1大腸癌の報 告は少ない.今回著者らは，T1大腸癌の長期成 績を治療別に検討することで，ガイドライン治 療の妥当性を検討するとともに，再発症例の特徴について考察したので報告する.