一過性脳虚血発作の概念

摘要

一過性脳虚血発作(transient ischemic attack: TIA)の定義として，1990年に米国立神経疾患? 脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke: NINDS)が究表した 脳血管障害分類第3版(CVD-III)による'24時間 以内に消失する脳虚血による一過性の局所神経 症状で，画像上の梗塞巣の有無は問わない'とす る定義が広く用いられてきたしかし，近年の 画像診断の進歩，特にMRI拡散強調画像(DWI) の普及により，症状持続時間の診断基準を満た しながら画像検査で梗塞巣を認める症例の取り 扱いが問題となり，海外ではTIAの定義の見直 しがなされている.また一方で，急性期のTIA と脳梗塞を救急疾患として包括した急性脳血管症候群(acute cereorovascuiar syndrome: ACVS)という概念も提唱されている.