透析患者における貧血管理

摘要

透析患者に合併する貧血の原因 として，まず腎におけるへモグロビン(Hb)の低下に見合った十分 量のエリス口ポェチン(EPO)の 産生障害，いわゆる腎性貧血があ げられるが，腎性貧血以外にも透 析医療に由来する失血やerythro-poiesis-stimulating agent (ES A J 使用時に造血に伴う鉄消費などで 鉄欠乏貧血を伴うこともある.ま た，慢性炎症による骨髄での造血 機能の低下?赤血球寿命の短縮に 由来する貧血も伴うこともある. よつて透析患者の貧血治療にあた る際にはその原因が多岐に分かれ ていることを認識する必要がある， さまざまなガイドラインが透析 患者における目標Hb値を設定 し，その推奨に従い貧血管理を 行っている.一方で近年の臨床研 究が，高齢CKD症例では若年者 と同じレベルのHb値を維持する ことがかならずしも良好なQOL や生命予後につながらない可能性 を示している.