血液透析患者における貧血の特徴と管理

摘要

慢性腎臓病における貧血治療に関しては，近 年，海外で行われた大規模無作為化試験において，高ヘモグロビン(Hb)値を目標とした群の有 益性がみられなかったことが相次いで報告さ れ，赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の過剰投 与が問題視されるようになった。これらの結果を 受け，2012年にKDIGOガイドラインが作成? 発表されたが，これまでのガイドラインと比較 してESA投与がきわめて慎重になったのに対し， 鉄剤投与が過剰に推奨されており，わが国の実臨 床とかけ離れている内容であった。そのようなな か，わが国でも2008年に発表された腎性貧血治療 ガイドライン（以下，2008年版GL)の改訂作業 が行われ，2015年中に改訂版（以下，改訂版GL) が発表される予定である。