大腸癌取扱い規約の課題と展望

摘要

大腸癌研究会は2013年7月に『大腸癌取扱い規 約，第8版』（以下，現行規約）を刊行した，改訂 の基本理念として，①新しい予後因子の導入，② 大腸癌診療ガイドラインおよび遺伝性大腸癌診療 ガイドラインとの役割分担を踏まえた収載事項の 整理，③世界標準であるUICC (Union of International Cancer Control)によるTNM分類および同 じ消化管癌である胃癌?食道癌の取扱い規約との 整合性の促進，をあげて作業を行い，改訂のェビ デンスとして研究会の各種委員会および多施設共 同研究による複数の成果物を採用した.刊行後 は，読者から寄せられた改訂内容への質問に対す る回答集を作成して研究会のホームぺージに公開 し，増刷(2刷）に際して1刷の誤植や不備を修正 するなどの作業を行うとともに，2014年7月に規 約改訂委員会を改組して次期改訂に向けて作業を開始した.