末期肝疾患におけるサルコぺニアの意義と 周術期栄養療法の有用性

摘要

末期肝疾患患者，とくに非代償性肝硬変で肝移植しか救命手段がないような患者は'浮腫や腹水による活動 性の低下に加え低栄養かつ肝不全状態と二次性サルコぺニァの状態に該当する.しかし，これまで肝移植，思 者における全身骨格筋量は不明で，サルコぺニァの意義も明らかではなかった。そこで著者らは.当科成人生体肝移植症例124例に対し体成分分析装置を用いて入院時に骨格筋量を測定した.その結果'38%の患者が骨格筋量低値(サルコぺニァ群)であった.サルコぺニァ群は非サルコぺニァ群より有意に移植後生存率が低 値であり骨格筋量低値は肝移植後の独立予後因子であった。しかし，subgroup解析よりサルコぺニア患者においても周術期栄養療法によって生存率が改善した.したがって,末麵モ疾患患者においても栄養療法とリハビリが重要である.