膵疾患に対する超音波内視鏡診断の進歩

摘要

超音波内視鏡(EUS)はこれまでも胆.膵疾患の画像診断法として重要な位置を占めてきた.さらに最近にな り，超音波診断機器の改良のみならず，新しい機能として，image-enhanced EUSともいえる，血流の詳細 な評価が可能な造影EUS (contrast-enhanced EUS)や腫瘤の硬さを評価するelastographyも出てきている. EUSは.膵癌ゃ膵囊胞性腫瘍などの.膵疾患において，その有用性が報告されている.とくに膵癌に対しては超 音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)による病理学的診断が有用であり，わが国でも広く行われる ようになつている.また，EUS-FNA:の技術を応用した画像診断法も開発されるなど，著しい進歩を認めてい る.胆膵疾患に対するEUSは診断のみならず，ERCPにかわるドレナ一ジなど治療の面でも今後もますます 重要な役割を果たすことが期待される.