レチノィドによる骨髄性白血病細胞の分化誘導と マクロファ一ジ·樹状細胞の機能発現

摘要

活性型ビタミンAであるall-trans retinoic acid (ATRA)は，分化誘導治療薬として急性前骨髄球 性白血病(APL; 「サイドメモ1」参照）の治療に使 用されているAPLの治療において従来の多剤 併用化学療法では播種性血管内凝固症候群などの 合併により完全寛解導入率が低かった.しかし， 1988年に臨床成績が報告されたATRAの登場後 は2)APLの治療成績は飛躍的に向上し，現在では 予後良好の白血病に分類されている.ATRAの白 血病細胞分化誘導効果は1980年に骨髄性白血病 HL-60細胞において見出されていた.