エネルギー集約産業におけるエネルギー需要の価格弾力性－日本·韓国·中国の国際比較

摘要

中国をはじめとする新興途上国でのエネルギー需要の増大を背景に，資源価格の安定や地球温暖化防止の観点から，途上国でのエネルギー補助金改革の効果に期待が集まっている．補助金改革によるエネルギー需要の抑制効果は，価格上昇の程度に加え，途上国でのエネルギー価格が需要に与える影響（エネルギー需要の価格弾力性）の大きさに依存する．しかし，エネルギー需要の価格弾力性について，途上国を対象とした分析は，データの制約などからいまだ十分とはいえない．そこで本稿では，日本，韓国，中国を対象に，よりロバストな価格弾力性の推計を試みる．