車々間通信を用いた交通事故防止方式のための高速処理アルゴリズム

摘要

交通事故のうち，最も多いのは交差点などの出会い頭事故である．このような事故を防止するために，見通し外の車を認識する方法は車々間通信により車の位置，速度及びブレーキ等の情報を得ることである．そして自車の同様な情報を用いて衝突の可能性がある場合に警告を，さらに強制ブレーキをかけて事故防止を行う方法が提案されている．しかし，100台程度の車に対し衝突の可能性を判断する計算には0.05秒間に平方根を伴う演算が含まれていること，また車重が考慮されていない等の問題点があった．そこで本報告では高速処理が可能な新しい方法を提案する．まずブレーキをかけてから停止するまでの距離が車重と速度に依存するため，予めグラフ化して記憶しておく．次にこのグラフから停止距離を求め，GPSで得た位置を加算した停止位置を車々間通信で送る．そして衝突の可能性の判断は，互いの車の停止位置が重ならないかどうかを簡単な減算により行うことを提案する．