ジョイスティックを用いた脳性麻痺児の上肢制御能力向上のための訓練

摘要

脳性麻痺児の「視覚と運動の協応」の能力を向上させるために,PCを用いた画面動作との追従操作訓練を行った.協力者は7歳と8歳の痙直型脳性麻痺児2名で,PCの使用経験が無いため,PC操作を意識しないで行えるように,マウスよりも直感的な動きが可能なジョイスティックと狭い領域の注視を必要としないスクリーンを使用した.画面のシーソーの傾きを制御する角度追従訓練を行った結果,追従動作に困難があることが分かった,そこで,角度制御訓練を射的ゲーム形式ツールを用いて行った.その結果,命中率につては両協力者とも慣れによる向上が見られたが,その後は向上が見られなかった.クリア時間は両協力者とも若干の向上が見られた.また,一人は左右の両端のターゲット狙撃が苦手であり,一人は右の中間位置が苦手であることが分かった.