クリーンプロセス用チップID書き込み技術：量産機対応のチップID技術について

摘要

特に、自動車に搭載される半導体は、万が一の故障や事故に備え、いつどこで作られたチップなのかを特定する必要があり、半導体製品のID番号を内部のチップに付与することが進められている。このIDによるトレーサビリティ情報は、迅速に類似の不良品を特定できるばかりでなく、故障原因の究明に極めて有効な手段である。発生した故障や被害を最小に食い止めチップメーカーの信用回復に寄与する手段として、今やトレーサビリティIDは車載用チップには欠かせないものとなってきている。また、半導体生産においては、歩留まり向上や品質目標の早期達成を促すため、製造方法や製品の“できばえ解析”などの要素技術の改善とともに、製造ラインでの合理的生産および製造管理に付随するプロセスの制御·監視などの情報化技術の活用に寄与するものである。すなわち、各プロセスでのウエーハ情報を正しく検出してデータの分析を明確にする手段の具現化要求が高まっており、各プロセス工程でのウエーハトレーサビリディや製品でのチップトレーサビリディが求められる状況となってきたのである。今回は、自動車用パワー素子のランク分類作業とチップIDマークシステムをモデル例として、チップトレーサビリティに活用されるクリーンプロセス用のID技術を紹介する。