地域サービスと全地球的サービスを同時提供,マルチメディア·デュアル·モード·パーソナル通信時代へ：将来の衛星通信への展望

摘要

現在，赤道上空36000kmの静止軌道上には，多くの静止衛星が打ち上げられ，通信，放送，気象観測等さまざまのミッションに活躍しており，現代社会に欠かせないものとなっています．中でも通信衛星は，衛星通信システムの発展とともに，国際·国内通信網の要として重要な役割を果たしています．通信衛星には各衛星の用途に応じで性能の異なる通信機器が搭載されています．受信機，高出力増幅器等の性能は年々向上し，高性能な通信機器が提供されています．さらに宇宙観測データを地上に送信する方法として，ミリ波や光を使用した衛星間通信などに，その通信技術が活用されています．一方，衛星インターネット，パーソナル通信，VSATなど，個人向けの通信ミッションにも発展しています．またマルチ·ビーム衛星通偏システムと相まって，再生中継機能，衛星内交換機能などを搭載した多機能衛星通信，大容量衛星通信へと発展しています．ミリ波パーソナル衛星通信用中継器の例を図1と表1に示します．