3端子コンデンサの貫通実装と非貫通実装によるノイズ抑制効果の比較

摘要

電源系に漏洩するスイッチングノイズを抑制するために、フィルタ部品として高いノイズ抑制効果が期待できる3端子コンデンサのノイズ抑制技術が研究されている［1-4］。この3端子コンデンサの実装方法には、貫通実装と非貫通実装がある。貫通実装は、ノイズ電流が3端子コンデンサに集中するため、非貫通実装と比較してノイズ抑制効果が高いとされている。本稿では、この実装方法の違いによるノイズ抑制効果の差異を明らかにするため、3端子コンデンサ単体の等価回路と基板構造の電磁界解析モデルを組み合わせた解析手法［1］を用いて、貫通実装と非貫通実装のノイズ抑制効果の比較を行った結果を報告する。解析の結果、実装方法によるノイズ抑制効果の差異が最も小さい条件では、貫通実装は非貫通実装に比べ100MHzで1.7dBノイズ抑制効果が高かった。また、基板構造と3端子コンデンサを含めた電源-GND間の等価回路モデルを解析することで、ノイズ抑制効果の差が生じる原因を明らかにした。