FTTHサービス環境における通信機器間の内線に流入する雷電流の検討

摘要

近年、ブロードバンドサービスの進展に伴い、通信線がメタルから光ファイバへと移行してきている。この場合、通信機器への雷サージ流入出経路が電力線のみとなるため雷害が大幅に減少すると考えられてきたが、通信機器の雷故障は発生している。この故障メカニズムを解明するため、実規模の住宅モデルを用いて雷電流印加実験と解析の両面から検討を行った。なお、解析には汎用の解析ツールであるSPICEを用いた。この結果、屋内電力線のインピーダンスによる電位降下から通信装置間に電位差が発生し、雷電流が通信機器に流れ込むことで雷害を発生していることがわかった。また、簡易な避雷素子モデルを用いた解析で、十分な精度で解析できることがわかった。