都市ガス導管材料の技術動向：新たな導管材料の適用に向けて

摘要

1872年、瓦斯灯の明かりが横浜で初めて灯り、日本の都市ガス事業がスタートした。 それから約120年、ガス需要の増大に伴い、ガスを供給するための都市ガス導管はその延長を伸ばし、現在では地球を約5周するほどの都市ガス導管網が形成されている。 現在国内において使用されている主要なガス導管材料を、使用圧力毎に第1表に示す。 これまで都市ガス事業者は、保安の向上及びより効率的なガス輸送を目指した技術的な取り組みを精力的に進めてきた。 効率的なガス輸送、すなわちコストダウンに向けた取り組みとしては、新しいガス導管材料の適用や新工法の開発等が挙げられる。本報ではこれらの取り組みの中から、埋設ガス導管材料の今後の大きな動向·課題の主なものとして、①　 小口径化·薄肉化による材料費·建設費の低減を可能とする、高圧ガス導管における高グレード材料の適用②　 鋼管溶接よりも安価な配管を可能とする、ポリエチレン管等の樹脂管の中圧B以上への適用を取り上げ、現状の技術動向について紹介する。