発電プラントの配管と装置：発電プラントにおけるスチームトラップ

摘要

近年、エネルギーの多様化が叫ばれる中、エネルギー利用形態として、もっとも重要な電力エネルギーの多くが、火力、原子力発電により供給されている。 火力発電所でも、ボイラーに使用する燃料は多様化し、重油や、石炭、天然ガスなどが利用され、さらに最近ではRPF (Refuse Paper and Plastic Fuel)などのリサイクル燃料も利用されている。 また、比率は少ないが、地熱を利用した地熱発電も行われている。 これら火力、原子力、地熱発電プラントでは、熱エネルギーにより蒸気を発生させ、その蒸気の力によりタービンを回して発電している。 この発電システムの要である蒸気タービン以外にも、発電所では多くの場所で蒸気が使われている。そして蒸気が利用されている設備では必ずスチームトラップが取り付けられている。 蒸気の持つ熱エネルギーを有効利用するための1つの重要なアイテムがスチームトラップである。 当社は、昭和8年に創業し、多くのスチームトラップを製造販売しており、原子力、地熱発電所を含む国内外の発電プラントにも数多く使用いただいている。 本稿ではその実績をもとに、スチームトラップの働きや作動原理など、基本的なところからご紹介したい。