路面や大気の温度上昇を確実に抑制--道路周辺の熱環境を改善する保水性舗装「クールロード」

摘要

舗装表面における熱収支や舗装路面温度が気温に及ぼす影響を解析した結果，クールロードは歩行者環境における舗装表面からの放出熱量を軽減し，道路上の大気温度を1 ℃程度下げる効果が認められ，沿道の熱放射環境改善が期待できると考えられる。 ただし，保水性舗装の機能を半分生かすには，蒸発量に見合った適切な水の供給が必要であり，都市の水循環システムの中に保水性舗装への水供給システムをいかに組み込むかが重要な課題と考える。 また，ヒートアイランド現象の緩和など，都市レベルの問題だけでなく，沿道住民や利用者である歩行者に体感できる効果をいかにわかりやすく説明できるかが本工法普及の重要な鍵となる。 今後は，適切な給水方法（給水量，給水時間，雨水の利用·還元方法など）について検討するとともに，クールロードによる熱環境緩和効果の検証や，耐久性や低廉性の確保のための研究を進め，さらなる普及を目指したいと考えている。