異なるパススケジュールで冷間圧延した純アルミニウム板における集合組織の板厚内分布と材料特性

摘要

冷間圧延のパススケジュールが材料特性と集合組織に及ぼす影響を確認するために，純度99.5％の純アルミニウムの帯板を1.2mmの厚さで途中焼なまししてから，ワークロールの直径が400mmの4段圧延機を用いて板幅約1000mmで厚さ0.30mmに冷間圧延するに際して，3パスの各圧下率を42～33％にして圧延した板と圧下率50％以上のパスを含む2パスで圧延した3種類の板を調査して，次の結果を得た。（1）3パス圧延と3通りの2パス圧延で得た冷間圧延仮の引張強さ，耐力の差は3MPa以内で小さい。しかし，3パス圧延した板は一様伸びがやや小さく，45 °耳率が少し大きい。また，引張試験における破断角度が3パス圧延板と2パス圧延板で異なる。深絞り耳は723Kで焼なましすると0°／90°耳に変化して，耳率の差はなくなる。