カルポキシメチルセルロース不織布を用いた新規止血材料の開発

摘要

生体内で出血が起こると，血液凝固因子が活性化した後，創傷部位にフィプリンの膜が形成され，止血が行われる．しかし，事故や外科手術などで大量出血が起こった際には，この自然の止血機構だけでは十分ではなく，局所止血剤による補助が必要となる.粉末状，ゲル状など様々な形態の局所止血剤が現在上市されているが，中でもガーゼや不織布などの膜状の止血剤は，操作性が良く，また圧迫止血との併用も可能なため，臨床の現場でも広く用いられている．