分割円錯視における分割線の方向と色の効果

摘要

正円に分割線（直径線）を加えると、分割線の方向に伸びた楕円的な見え方を呈する。 具体的に、Fig．1（a）は縦長の楕円、（b）は横長の楕円として知覚される。 これと似たパターンはDelboeufやMüller-Lyerの原著にも見られ（da Pos & Zambianchi，1996）、また今井（1960）による円弧対を用いた円形錯視（Fig．2）や半円形錯視（Fig．3）との類似性もあるが、Fig．1に示す刺激布置における錯視効果の報告は過去にないと思われる。 われわれは、この新しい錯視を分割円錯視（divided-circle illusion）と名付けた。