色彩教材研究会

摘要

色彩が社会的な文化現象として日本で注目され始めたのは、1980年代になってからであろう。多くの企業がCl（Corporate ldentity）に取り組み、企業イメージを色にも託すロゴタイプ改定ブームが起きた。新たな自己確認と社会に対する存在証明のこの手法は、18才人口減少に対応する大学のUl（Universityldentity）や、やがて景観法に発展する美観形成のためのSl（Street ldentity）などを呼び起こし、1980年代半ばからは個人レベルのPl（Personal ldentity）に及ぶ。すなわち、お似合いの配色を指南するパーソナルカラー分析の登場である。しかも続いて複数の色彩検定試験が始まり、一般生活者の色への関心が一気に高まった。