「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト（BEANSプロジェクト）」の現状と今後の展開

摘要

わが国の製造業が今後も持続した発展を可能とするには，新産業を創出，高付加価値化をさらに進める、ことが不可欠である。これには従来の縦割りの技術の深耕ではなく，ざまざまな分野の技術や科学的知見を融合し，イノベーションを起こし，新しい製造技術を創りあげていくことが必要である。Micro Electro Mechanical Systems（MEMS）技術は，新しい製造技術として，わが国の産業競争力強化に貢献してきた。経済産業省と独立行政法人新エネルギー·産業技術総合開発機構（NEDO）はMEMS産業のざらなる発展には，MEMS技術に，ナノテク，バイオ·有機材料を融合させた革新的デバイス群の創製が不可欠と考えて，MEMS分野の技術戦略マップに第3世代のMEMSとして異分野融合型次世代デバイス（BEANS：Bio Electro mechanical Autonomous Nano Systems）を位置づけた。この実現のため，経済産業省／NEDOから「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト（BEANSプロジェクり」（研究期間：平成20年度～平成24年度）が，技術研究組合BEANS研究所を中心とする研究機構に委託され，研究開発が推進されている。本プロジェクトでは，第3世代のMEMSを製造するプロセス技術のプラットフォームを構築し，わが国の国際競争力を高めるため基盤技術として，学界や産業界でひろく応用されることが期待されている。BEANSプロジェクトにおける具体的な研究開発項目は以下の4項目である。