TEMPO酸化セルロースナノファイバーの調製と機能材料への展開

摘要

樹木を含む植物は，自らの生命を外的応力や生物アタックから守るために，幅3～4nmと超極細幅で，結晶化度60％以上長さ数mum以上の高アスペクト比（長さ／幅の値）のセル?トースミクロフィブリルを，セルロース分子に次ぐ最小エレメントとしており，天然高分子としては特徴的な階層構造を形成している（図1）。したがって，製紙用パルプや綿セルロースなどの汎用セルロース原料から1本1本のセルロースミクロフィブリルを完全分離することができれば，豊富な植物バイオマスからカーボンナノチューブに次ぐ細さと，高アスペクト比のバイオ系ナノファイバーが得られる。