ファラデーのロウソクたち（2）

摘要

1860年，英人マイケル·ファラデーは公開講演で和蝋燭を紹介する際，江戸末期の日本を「私たちが開国を促した，はるか遠くの異国」と呼んだ。はて，黒船は米国人ペリーではなかったか？米国が日本に一番乗り……はて？この新興国は英仏と違って，アジアの植民地獲得の野心などなかった。日本には自国遠洋航海船への石炭や薪や清水や食料の補給，そして荒天の避難港，難船救助などの役割を求めた。何の用で？実は，ずいぶん前から米国の捕鯨船団が三陸沖まで進出していたのだ。当時この海にマッコウクジラの大群が棲んでいたのだそうだ。1846年，日本近海で操業する捕鯨船は292隻に達したと記録にある。米国の船ばかりではなく，英仏等の船も船団に参加していた。ここで捕鯨の歴史と石油史の接点の話をしたい。