地中熱利用システムの概要と近年の技術動向:多様化する地中熱交換方式について

摘要

地中熱利用ヒートポンプ（Geothermal Heat Pump：GeoHP）システムは，恒温性のある地中熱をヒートポンプの熱源として活用することで，外気温の変動により効率が左右される空気熱源ヒートポンプに比べ成績係数（Coefficient of Performance：COP）が向上し，高い省エネ効果と電力ピークカットが期待できる。また，都市部でのヒートアイランド現象の原因とならないことや，寒冷地でも安定的に利用できることより，近年国内でも注目度が高く，導入件数も着々と増えている。さらに2010年には，国の「新成長戦略」や「エネルギー基本計画」に初めて「地中熱」が「再生可能エネルギー」として記載され，関連する補助メニューや予算も増加傾向にある。