環境に係わる決定システムと参加権-環境影響評価法との関係で-

摘要

リオ宣言（1992年）で，環境に影響を与える意思決定過程への人々の参加の保障が宣言されてから，まもなく20年を迎えようとしている．この年月の経過の中で，ヨーロッパでオーフス条約が締結され，条約締結国の国内法では国民の参加権を保障する仕組みが定着しつつある．たとえば，フランスでは環境憲章を制定し，その中で参加権を保障している．そして，環境に影響を与える行為への参加を実現する重要な仕組みとして，環境影響評価制度がある．ここでは，同制度を軸に住民参加の課題について検討する．