原子力発電所事故と情報に対する権利－博報に対する権利の国際的保障の展開をふまえて－

摘要

2011年3月11日の東日本大震災に付随して発生した東京電力福島第一原子力発電所事故は大量の放射性物質を環境中に放出することとなった．放射線量を測定するモニタリングポストの多くが電源を喪失し，そのバックアップシステムも働かず，環境中の放射線量のモニタリングデータを得ることができなかった，緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム（SPEEDI）の計算結果を含め，放出された放射性物質に関する情報が政府から十分に及び適切に開示されず，伝達されなかったといった問題も生じさせた．