左官復興への取り組み

摘要

社会全体が環境問題に対して敏感であり、建築界もその例外ではなく、これに即応することが不可欠であることが現在の風潮にある。 これに対応して（社）日本建築学会が中心となり関係諸団体と共に平成13年6月に「地球環境·建築憲章」を制定し「持続可能な環境型社会の実現に向かって」を目的として宣言を行っている。 一方、日本建築仕上学会で仕上げに関係する、学者、研究者、施工団体、材料メーカーが一体となり地球環境保全を目的とした「環境宣言」を検討している。 このような時代の流れでも左官材料の素材は古来より、土や石灰を中心にした自然素材であり、すさなどはリサイクル品であり、塗り上げられた蟹は断熱性、吸放湿性、防火性と様々な機能性に富んでいることは歴史的にも十分に実証されていることで、今さら言うまでもない。 さらに左官材料は他の建築材料に比較してー歩先んじて環境に負荷を掛けないものであり、人の手による塗り壁の肌合いは心理的に優しさがあり、人々をリフレッシュさせる働きも兼ね備えている優れものである。 （社）日本左官業組合連合会では今回、「リブオーム工事情報」としてHPを増設し、環境問題と塗り壁の機能性·アメニティを全面的に打ち出し「美壁優住」を副題にして、「美しい壁を以て優しい住空間を織りなす。 」と提案したのである。