湿紙の乾燥とドライヤーカンバス

摘要

敷島カンバス㈱は1897（明治30）年に船舶用帆布，汽車シート，テント等の製造を目的として滋賀県の近江八幡 市にて発足した。1908（明治41）年に国産初のドライヤー カンバスの製造を始め，以来100年以上の長きに渡り国内 のトップメーカーとして技術と品質の向上を続け，製紙産 業の目覚ましい発展と共に歩んできた。ドライバートは抄 紙機に於いて最もエネルギーを消費するパートであり，近 年の環境問題対応やコスト競争面から熱効率を高めて使用 蒸気を削減し，また駆動や送風フアン等の使用電力を削減 することが最も求められているパートである。そのドライ バートで使用されるドライヤーカンバスはプレスパートで 搾水された湿紙を保持運搬しながら蒸気で加熱されたシリ ンダードライヤーに圧若させて乾燥を促進させる重要な役 割を担っている。湿紙乾燥に於いて熱効率を向上させる機能を有す要具であり，その品種選定は重要である。