ロジンに替わる新規板紙用内添サイズ剤の提案

摘要

近年の段古紙を主原料とする板紙製造では，各種内漆用薬品の効果が発揮しづらい抄紙環境へと変化している。例えば，炭カル含有古紙の増加に伴う原料品質の低下や，抄紙系のクローズド化による微細繊維やアニオン夾雑物の増加，環境への配慮および操業性の改善を目的とした硫酸バンド使用量の低減などが挙げられる。今後も，原料古紙に由来した炭カルの増加や硫酸バンド使用量の減少による抄紙pH上昇のトレンドが予想される。そういった状況から，現在，板紙用内添サイズ剤の主流であるロジン系サイズ剤は，必然的にそのパフォーマンスが低下していくものと考えられる。