超音波デバイス：弾性表面波を用いた導波路型音響光学変調素子の光回折特性とBPM解析

摘要

本稿では、導波路型AOMの光回折特性、BPMを用いた解析結果、およびFSFファイバレーザーによる光距離測定について概説した。 本稿で得られた結果を以下に示す。 ①AO相互作用長を3mmとした導波路型AOMを作製し、65％の回折効率が得られた。②非回折光パワーの減少分と一次回折光パワーが一致せず、最大で入力光パワーの3割程度が失われるという問題点を明らかにした。 ③BPM解析により、測定値と同様の光回折特性が得られ、実際の素子における問題点は、出力テーパ導波路中の干渉、集光部分の漏れ光に起因すると考えられることを示した。 ④SAWビーム幅を狭くして光回折部の中央に伝搬させることにより、光回折特性が改善されることを明らかにした。⑤導波路型AOMを用いたFSFファイバレーザーによる光距離測定のデモンストレーションを行った結果、ビート周波数と光路差の関係は高い線形性を有することを示した。 今後はこれらの成果を利用して、FSFファイバレーザーを用いた光計測の実応用や光マトリックススイッチへの応用を図りたい。