東電，中電，火力発電で包括的提携へ世界最大のLNGバイヤー誕生

摘要

東京電力と中部電力は7日，燃料上流·調達から老朽発電所のリプレース，発電所新設など，火力のサプライチェーン全体に係る包括的アライアンスの協議に入ることを合意する基本合意書を締結した。年度内に最終契約書の締結と，出資比率50対50の合弁会社の設立を目指し詳細協議を進める。上流から発電，卸売に至る火力全体での提携は電力業界で初めて。合弁会社は年間3,500万～4,000万トンという世界最大級のLNGバイヤーとなり，安価で安定的な燃料調達を実現するとともに，東電，中電の経営資源を持ち寄ることで熱効率が低い老朽火力発電所を最新高効率発電ヘリプレースし，安価な電力の供給を目指す。このほか，上流事業，燃料輸送事業，燃料トレーディング事業，火力発電所の新設事業，ガス卸売·LNG供給事業，海外発電·エネルギーインフラ事業なども幅広く協議の対象とする。更に，将来をにらみ，高度で広範なアライアンスの実現に向けて継続的な検討を行う。東京電力はこうした提携効果による企業価値増大と合弁会社からの配当により，福島復興への貢献を（福島原発事故関連債務は東電が負担），中部電力は燃料調達規模の拡大や関東圏での電力小売拡大を目指す。