第7回ガラスの特殊な作製法ゾル·ゲル法一倍温で有機溶液などからガラスを作る

摘要

前回，もっとも一般的なガラスの作製法である溶融法について紹介した。ガラスは原子の配列がランダムで，液体状態である。溶融法は高湿融液を結晶化するより速く室温まで急冷して固体とする方法である。窓ガラス，びんガラスはじめ実際に使われているガラスの大部分はこの方法で作製される。ガラスは熱力学的には不安定な液体状態であるが，粘度が非常に高く，安定な結晶状態に転移する速度が極端に遅く，その意味できわめて安定である。室温程度の温度では，地球生成以来の時間程度では結晶に変わることはない。