LiCl-KCl共晶溶融塩中における酸化物共存下でのジルコニウムの電気化学的挙動

摘要

使用済み核燃料の再処理工程で生じる燃料被覆管のせん断片（ハル）に含まれるジルコニウムを、溶融 塩電解法を用いて再生するプロセスの開発を目的として、ジルコニウムの酸化物共存下における電気化 学的挙動解明を行った。本研究では、LiCl-KCl共晶溶融塩中に酸化物としてLi2Oを添加し、酸化物共 存電解浴を作成し、その塩に対しLiFを添加しながら、ジルコニウムに着目した電気化学測定を行い、 酸化物添加によって消失した還元波ピークの再出現をサイクリックボルタンメトリーにより確認した。 また酸化物を含まない場合のサイクリックボルタモグラム及び微分パルスボルタモグラムとの比較を 行い、フッ化物添加によるジルコニウムメタルへの還元電位を観測することによって、フッ化物添加に よる効果の確認を行った。これら両者の結果を用いて、酸化物共存下で存在するジルコニウムのフッ化物添加による電気化学的回収の可能性を議論する。