触媒を用いた含フッ素機能材料の合成

摘要

フッ素化学のスタート物質となる高純度HFは19世紀初頭から得られていたが，その取り扱い上の困難さらく合成への応用は進まなかった．19世紀末にえ，長しりようやく，J.E. Swartsによって金属フッ化物を用いるハロゲン交換反応により有機フッ素化合物を合成する仕事が開始された。 フツ化アンチモンを用いたフッ素化反応は化学的に極めて安定かつ無毒なエアコン冷媒用ガスの合成につながり，フッ素工業化学発展のきっかけと。 なった。 今日でもアンチモン系やCr系触媒は冷媒ガスの合成に用いられている。 1938年にはR. Plunkettがポリテトラフルオロエチレンを偶然に発見し，本格的なフッ素化学の発展期を迎えた。 このポリマーはデュポン社によって工業化され，商標名としてはテフロンが有名である。耐熱性，耐薬品性，非粘着性，電気絶縁性などフッ素の持つ極めて優れた機能を有し，現在でも汎用フッ素樹脂需要の約6割を占める。