中年期クライシスと新たな出発

摘要

「アラフォー」という言葉がはやるこのごろ、「40代はまだまだ若くこれからだ」という思いもある反面、「ああ、もう亜代になってしまった」という両方のあい矛盾した複雑な思いを抱く年齢でもあります。そして、40代は20、30代に比べると、確実に体力の衰えなど身体的な変化を少しずつわが身に感じるようになってきます。かつては仕事が忙しい時など徹夜もいとわないほどの体力·気力があったのに、40歳を過ぎてからの徹夜は、その後の疲労感からも、そろそろ無理がきかない年齢であることを痛感するようになります。また、これまで視力を誇っていたような人も、次第に暗いところでは細かい字が読みづらくなったり、誰でも頭髪に一本二本と白いものを発見するようになったりもします。こうした身体的な変化は、中年期の人たちに少しずつ歩み寄る自分の「老い」を感じさせるようになるのです。認めたくない変化ではありますが、こうしたさまざまな変化から「もう、若くはないな」という心理的実感も生まれてきます。