マルチパス環境下における複数電波源の直接波TDOA選択方式

摘要

電波の到来時間差（TDOA：Time Difference of Arrival）を用いた測位方式では，複数信号がマルチパス波を伴って混信入射する場合，どのTDOAが直接波のものであるか判定が困難である．本稿では，複数電波源が存在するマルチパス環境下で，直接波に起因するTDOAのみを選択する方式を提案した．本提案方式は，各受信信号の自己相関で得られたピーク情報を用いる．計算機シミュレーションの結果，99％の成功率で直接波に起因するTDOAのみを選択することができた．