次世代デジタル·モバイル機器用デバイスのトレンド：シリコン微細加工プロセスを用いた超小型燃料電池の開発

摘要

筆者らは，高ドープのシリコンを陽極酸化により多孔質化し，この多孔質内に白金およびルテニウムを湿式めっきにより堆積させることにより触媒層を形成し，シリコン基板から非常に薄い燃料電池電極を一体成形する手法を開発している．一般に多孔質シリコンの抵抗は高く，このため多孔質シリコンを触媒担持層として用いることは困難と考えられている．しかしながら，多孔質シリコンは最大1700m{sup}2/cm{sup}3といった活性炭に匹敵する表面積を持っており，多孔質化の容易さおよびシリコンバッチプロセスへの適応性といった観点から，触媒担持層として機能するならばきわめて魅力的な素材である．試作セルにより発電を実証したものの，現状では出力がかなり小さい．まだ萌芽段階であるが，以下に状況を紹介したい．