タカニチ式6自由度振動試験機を用いた人体振動評価の試み

摘要

近年，自動車の開発プロセスが変化している。従来は，自動車メーカが目標性能を満足できる仕様を検討し，部品単品ごとに部品メーカに発注する方式であった。 それに対して最近では，自動車メーカから部品メーカに，アッセンブリー部品の目標性能が提示され，部品メーカが設計·製造·納入する，モジュール発注に変わりつつある。自動車用シートの座り心地性能を含む振動特性についても同様である。 従来は，試作車両に試作シートを搭載し，テストコースを実際に走行して得られた結果を基に，再度シートを試作·評価する，という工程を繰り返していたが，自動車メーカからは目標性能だけを提示される形態に変化してきている。また，試作車両を使用できる時間や時期は限られるので，従来のような，実車を使用して繰り返し評価する手法は現実的ではない。 そこで，我々シートメーカには効率的な評価と的確な解析により，短期間で目標性能を満足できるシート開発を要求されるようになる。