中越沖地震について－学会がリードして原子力施設耐震安全学の構築とその研究·教育の振興を

摘要

去る7月16日（月）の朝，新潟中越沖地震の強震動が東京電力柏崎刈羽原子力発電所を襲った。 ここはわが国ではもちろん，世界でも最大規模の発電所であり，7基の電気出力は合計約820万kWに達する。 幸い運転中の3基および起動中の1基はいずれも無事に停止し，その後の炉心冷却も達成され，安全上枢要な設備機器の大きな損壊はなかったようで，原子力関係者一同まずは胸をなで下した。 しかし所内用変圧器の油火災および微量の気体と液体放射性物質の漏出があり，かつそれらが大々的に報道され，当地の地震被災者や周辺住民の方々に少なからぬ不安を与え，風評被害まで引き起こしたことは残念であった。