狭隘地·低空頭下工事での工法と機械：ねじ込み式マイクロパイル工法の施工事例－施工機の改良と低空頭·狭隘地での施工事例

摘要

「ねじ込み式マイクロパイル工法」（MH-MP工法とも呼ぶ）は、狭隘地や空頭制限下において既設橋梁基礎の増し杭による耐震補強を安全確実かつ経済的に行うことを目的として、（独）土木研究所、（財）先端建設技術センター、㈱鴻池組の共同研究により開発された基礎杭工法である（国土交通省新技術情報提供システム(NETIS) CB-030009）。 既設基礎の耐震補強としての有効性は、動的模型実験および動的FEM解析等により確認されている。 また、本工法は低空頭かつ狭隘地等の厳しい施工条件に対応可能であるとともに、低騒音·低振動施工、無排土施工（発生土がない）、廃棄泥水が発生しない等、周辺環境へ及ぼす影響が極めて小さいという優れた特長を有することから、最近では耐震補強工事だけでなく、都市部の小規模橋梁の更新工事への適用事例も増えてきている。 そこで本報告では、まず、ねじ込み式マイクロパイル工法の概要を述べ、次に低空頭·狭隘地での施工事例として道路橋基礎の耐震補強工事事例と新設歩道橋基礎への適用事例を紹介する。