オートボルト工法：自走式ボルト自動打設システム

摘要

斜面の安定は主として地山の自重とせん断抵抗のバランスの上で保たれている。 豪雨や地下水、地震による自然的要因によるものと、切土、盛土などによる人工的要因によるものにより、このバランスが崩れ安定が損なわれる場合がある。近年、斜面安定化対策も、その目的および用途により細分化されている。 斜面安定工法の中で、土圧やすべり土塊の滑動力に抵抗する目的として、擁壁工、杭工、グラウンドアンカー工、切士補強土工などがある。 法面の崩壊長さが比較的短く（概ね30m以下）、必要抑止力が300kN/m以下の場合、経済性などの理由から切土補強土工法による安定化対策を施工する機会が増えつつある。 切土補強土工法は、鉄筋やロックボルトなどの比較的短い棒状補強材を地山に多数挿入することによって、自然斜面や法面を補強する工法で、地山に複数の削孔を行い、その中に注入材および補強材を挿入し、安定化を図る工法である。オートボルト工法は、切土補強土工法において、角度調整可能なガイドポストと自走式ベースマシンを組み合わせ、補強材の打設効率を高めた工法である。