稲麦大豆に適用可能な汎用ロータリシーダ

摘要

米価の大幅な低落と農業の生産構造がぜい弱化するなかで，北海道の水田地帯は大規模化と水稲や転作作物の合理的な組み合わせにより，省力的で収益性の高い水田作経営が求められている。このような背景から水稲と主要な転作作物である小麦および大豆による水田輪作体系の構築が重要な課題となっている。 しかし，稲麦大豆による水田輪作を行う場合，融雪の遅い北海道では春先に耕起や砕土，播種など複数の作業工程が重なり，規模拡大の制約要因となる。 また，小麦や大豆など転作作物の導入にあわせて専用の播種機を導入すれば機械コストも増加する。 そこで，1工程で砕土·施肥·播種を行い，水稲（乾田直播），小麦および大豆に汎用的に使用できるロークリシーダ（以下，「開発機」）を開発し，作業時間の短縮を図るとともに，開発機の導入による規模拡大効果を検討したので，その概略を紹介する。