製造業におけるIT利用の実際：生産システム設計とシミュレーション技術

摘要

IT(Information Technology)という言葉が社会的に認知され今やマスメディアを通して関連する多くの情報が伝えられるようになった。製造業は、銀行と共にこのIT技術を早くから取り入れ、利用している。 そのため、生産システムに携わるエンジニアの間では、ITと言う言葉は、新しい言葉ではなく、少なくとも10年以上前から使用されていた。 製造業では、コンピュータが開発された比較的早い段階からコンピュータ技術を取り入れる試みがなされた。 1950年代のNC工作機械の開発と1960年代のその普及、1970年代のコンピュータを利用した設計システムであるCAD(Computer Aided Design)/CAM (Computer Aided Manufacturing)の開発、1980年代の生産の自動化技術、ネットワーク、およびデータベースを利用した統合化技術であるFA(Factory Automation)/CIM(Computer Integrated Manufacturing)の開発などが実施された。 特に、FA/CIM化に伴い、通信ネットワークを利用した在庫管理、受注管理などITを利用した生産管理の導入が進展した。 昨今のコンピュータの高速化、ダウンサイジング化、低価格化も相まって、現在も製造業においてはコンピュータを利用するIT技術はさまざまな用途で開発され導入されている。