洗浄·サニタリにおける食品技術者の基礎知識(15)－食品製造設備のメンテナンス(5)：サニタリ設備のシールとその基礎知識

摘要

サニタリ設備に限る話ではないが，液体や気体を扱う様々な設備には，部品どうしの接合部分にシールが使われている。 シールは金属や樹脂部品どうしの接合部分から，液体や気体の漏洩を防ぐために使われる。金属であれば溶接，樹脂であれば接着剤などで永久接合すれば，漏洩を防ぐ事は可能である。だがこの方法では，接合部分の容易な分解ができなくなる。例えば機械設備とそれにつながる配管，あるいはタンクとマンホールのフタの様に，容易な分解組み立てが必要，あるいは常時開閉を行う場所には，様々なシールが使われる。 またピストンやプランジャとシリンダ，あるいはポンプの駆動軸のケーシング貫通部の様に，互いに動く関係の組み合わせの場合にも，その摺動部分からの漏洩を防ぐためのシールが必要となる。 金属どうしは精密な平面に仕上げても，互いに密着させる事は難しい。 そこでその間に柔らかい材料を挟み，その材料の塑性変形で漏洩を防ごうとするのが，シールの考え方である。