「食品のトレーサビリティシステムの構築に向けた考え方」について

摘要

平成13年のBSEの発生，食品の偽装表示や無登録農薬使用の問題等，食品の安全にかかわる問題が相次ぐ中，食品安全基本法の制定を受け，政府全体で，国民の健康保護を最優先にする食品安全行政の確立へ大きく踏み出したところである。 農林水産省では，平成14年4月に公表した「『食』と『農』の再生プラン」において，「食の安全と安心の確保」を重要な課題と位置付け，その中で初めて「トレーサビリティシステムの構築」を掲げた。また，食品のリスク管理を適切に行うために，新たに消費·安全局を設置（平成15年7月）したほか，農林水産物の安全性の確保を図るための施策を総合的に見直し，消費者の視点を重視した行政運営を積極的に展開しているところである。 平成15年6月には「食の安全·安心のための政策大綱」を決定し，トレーサビリティシステムの導入·推進を重要施策の一つとして位置づけ，その推進を図っているところであり，これまでに，システムの開発·導入に対する助成事業等の支援のほか，地域フォーラムの開催による普及啓発等の活動を行ってきたところである。