表面仕上げ·バリ取りへのニーズと対応技術：交差穴用高速バリ取りツールの仕組みと事例

摘要

ドイツのベルリン工業経済大学のハンス·ミハエル·バイヤー教授は長年，生産性を向上させるためにバリを出さない加工やバリの除去方法などを研究し，その結果，バリが発生しやすく除去の難しい交差穴のバリ取りに注目した。 交差穴用バリ取り工具は各メーカーが製作しているが，バリの除去に必要な刃のショックを吸収する仕組みもさまざまである。 バイヤー教授も95年に刃のショックをゴムで吸収するツールを開発して販売を行なっている。交差穴といっても千差万別で材質，横穴の軸穴に対する対比率，切削条件などによりバリの特徴は異なる。 このショックを吸収するテンションはもっとも重要といえるが，このコントロールができない。 そこで2002年に発表した液体や空気を媒体にしたテンションをコントロールできる交差穴用高速バリ取りツール（HSDツール，図1）の開発に取り組んできた。