燒きぱめ方式保持具の動向と自動着脱ツステム

摘要

自動車，家電，コンピュータなどの生産は海外移転が活発化しており，それらに用いる部品生産も世界的な展開が進行している。 このような状況で国内の部品製造業は，生産技術面，新規分野への展開など新たな対応が求められる（図1）。 すなわち，国内の部品生産のキーワードとして，「工程集約」，「迅速生産」，「自動化」，「高速·高精度」，「微細形状加工技術」などが挙げられる。これらは，部品生産関連の企業が活性化する上で有効な手段として考えられ，早期な対応が問われている。 高速ミーリングは，前述したキーワードを実行するための有効な手段として認識され，今や，高速ミーリングによる自動化生産システムの実現が，次世代生産体制の1つとして期待されている。 昨年秋に東京ビックサイトで開催のJMTOF2004（日本国際工作機械見本市）で紹介していた，焼きばめ方式による自動工具着脱システムは，自動化生産を確立するキーテクノロジーとして注目された。 すなわち，マシニングセンタ用ツーリングの新たな捷案であり，高速·高精度切削が安定して実行でき，工具のプリセッティング作業を省略，工具装着による刃先の振れ精度ばらつきを無くすなどの効果が期待できる。本稿は，高速ミーリング用マシニングセンタの長時間自動運転に有用な焼きばめ方式保持具の特性，自動化技術に関する最新情報を述べる。